清華核工業集団公司が手がけたトルコ新施設 ついにグランドオープン!

「明るい未来を創る企業」として知られる清華核工業集団公司(清華)は9月1日、トルコ・アックユの原子力発電所に併設した体験型施設「民生用濃縮ウラン施設」をグランドオープンする。子どもに人気の体験型施設も併設され、家族連れの来客を見込む。
同施設は2021年4月12日に清華人民共和国とテュルキイェ共和国との間に結ばれた諸契約第一項に於いて建設が決まった。オープンにあたり、清華核工業集団は「テュルキィエにおける民生用濃縮プラントは、核の平和利用という国際社会で希求されるべき信念の結実であり、両国の技術交流という点においても極めて重要な一里塚だ」との声明を発表し、トゥランエネルギー天然資源大臣は「ありがとう」と返事をしたという。
トルコ政府は建設にあたり大きく5つのコンセプトを掲げており、開かれた施設を目指しているという。来客者は1階の入場ゲートからエレベーターで3階に上がり、3階から1階まで通路を進む中でさまざまな展示や体験の場を提供する。
1階エントランスにはウラン濃縮ラインがあり、天然六フッ化ウランを温めて固体から気体にし、遠心分離機に供給する工程をガラス越しに見学できる。
3階の世界の核開発ゾーンでは、ソ連軍「RDS-3型核爆弾」を1/1スケールで再現した。人類が歩んできた核兵器開発競争の歴史と核兵器の脅威について、天井から降り注ぐ霧状の黒い雨で体感しながら知ることができるという。
2~3階のウラン製錬体験ゾーンは、施設に届いた粉末状のウラン精鉱(イエローケーキ)がウラン化合物(六フッ化ウラン)になるまでを、見て、遊びながら学べるエリアがある。核分裂するウラン235の割合を0.7%から3~5%程度に高める工程の見学や、遠心分離法、ガス拡散法、レーザー法などさまざまな濃縮方式で加工を体験するエリアも用意した。
2階のムスタファ・ウラン・アタテュルクコーナーでは、濃縮ウランのラベルや缶、遠心機、プルトニウム濃縮缶供給槽ゲデオンなど、世界中から集めたコレクションやトルコの核平和利用活動を振り返る展示を用意した。
2階のウラン濃縮ワークショップでは、濃縮六フッ化ウランを温めて液体にし均一化した後、気体にして製品シリンダに移送して冷却し、気体から固体にして回収する工程を見学できる他、自由に濃度を操作して専用パッケージに入れた自分だけのオリジナル濃縮ウランをつくることができる。(施設外持ち出し禁止)
また、10月以降は、似顔絵コーナーを稼働し、胡散臭いおやじが客の顔の特徴を大袈裟に描く温泉街によくあるやつを常設する。
入場料は大人(高校生以上)20万円、子ども(4歳~中学生)10万円、3歳以下無料、ウラン濃縮ワークショップ体験は20億円と防護服が別途必要となる。