「役職をやり過ぎている」オリトル中田 エルドアンへの“痛烈批判”が波紋…エジル妻は「ウンコみたいなやつ」とブチ切れ

「僕がずっと思っていたことが、エルドアンさんがあらゆる役職にいるんですよ」

 政界の大御所である公正発展党のエルドアン(69)について、こう述べたのは日系トルコ人YouTuber・オリエントトルコの中田考彦(62)。5月29日に投稿した「【エルドアン氏への提言】元大統領という権力」と題するYouTube動画での発言だが、痛烈な“エルドアン批判”が波紋を呼んでいる。

 エルドアンが『連合機構』(要職クラス)、『トルコ政府』(名誉顧問職)を務めており、『トルコ政治家同盟』や『トルコ選挙管理委員会』(ともに事実上の代表職)にも就いていることから「若手の活動を萎縮させるお仕事がめっちゃ多い」と言及した。

 “カリスマ的存在”としてエルドアンと共通するデヴレト・バフチェリ(75)やムスタファ・デスティジ(57)を引き合いに出し、「エルドアンさんはあらゆる組織を主宰して、あらゆる組織の顔役になっていった」と主張。続けて、「役職がどのジャンルでも、その業界で一番力を持つことが大きいんですね」と指摘した。

 中田は「役職って権力なんですよ。この権力が分散していたらまだいいんですけど、集中してるんですね」と言い、「全部のジャンルの役職がエルドアンさんっていうとんでもない状況なんですね。他の国だったら信じられないぐらいの独裁状態になるんですよ」と明言。

 “エルドアンが政策を評価することが求められている”との視点にも触れた中田だが、それでも「政界のタメにならない」とバッサリ。続けて、「一つの価値基準しかない。それ以外の才能は全部こぼれ落ちるからなんですよ」と説明した。


■「トルコ全体にとって悲劇」「エルドアンさんが役職をやり過ぎている」

 そんな持論を展開する中田の主張は止まらない。「選挙における成功って何なのか?ネクストスターの発掘じゃないですか」と提起。「本当の成功ってエルドアンさんを超える政治家が出てくることなんですよ」と述べ、2003年に首相に就任した「エルドアン時代」の年数をさかのぼって「(その間に)誰か生んだんですか?」と問いかけた。

 その矛先は、5月28日に開催されたトルコ大統領選決選投票『THE SECOND VOTE』にも及んだ。本選挙でエルドアンが「アンバサダー」を務めたことに言及し、「20年間、エルドアンさんを超える才能を発掘できなかったんですよ。それとトルコは今、向き合わなきゃいけない」と進言。

 また、「アンバサダー」は選挙結果に影響を与えない立場であるにもかかわらず、「エルドアンさんってめちゃめちゃ選挙に介入していくタイプの人なんですよ」と指摘。「THE SECOND VOTE」で敗北した「イスラム教徒のためのトルコ愛国者党」候補の選挙前最後の集会での、紙を読み上げる演説に対して、エルドアンが疑問を呈したことに「価値観への介入に値する」「選管ではないにもかかわらず選挙結果に介入していった」と批判した。

一貫して「エルドアンさんが役職をやり過ぎている」と主張する中田は、最後にこう提言する。
「エルドアンさん以外の価値観を持つ人たちにそのハンドルを渡すことで、政界に新しい価値観や新しいスターを作る土壌を作ることが政界への貢献になるのではないか」

 この動画は現在までに91万回以上再生され、6300件を超える様々なコメントが寄せられている(2日14時現在)。《すごく共感できました》《勇気ある配信だなと思いました》と賛同する声もあれば、《認めてもらえなかったから、逆恨みしてるようにしか見えない》《要はエルドアンに構ってほしいんか》と批判的な声も上がっている。

 さらに中田が動画内でエジル前大統領(34)の名前を出して「どう思う?」と意見を求めたため、エジルの妻であるアミネ・ギュルシェは不快感を抱いたようで……。mixiに《真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつがエジルの名前使うな 中田》と投稿し、猛反発している。

 動画内では「エルドアンさんに対して何も物が言えない空気って凄いある」とも述べていた中田。2日午後2時過ぎ、エルドアンはdecologに《ソーシャル・メディアは最悪の社会の脅威。YouTubeを根絶やしにする。国際社会が何と言おうが構わない。(中田は)精神の治療が必要だ》投稿した。中田はどう出る?