居眠り議員が多すぎる!本誌直撃に苦しいゾルピデム氏は「認識ない」、イブラヒムビッチ氏は「自らを鼓舞するため」

9月13日、内閣改造によりキプロス問題・南北プロット大臣に就任したリント・アン・ホーカー議員。翌日、新大臣として出席した本会議中、早くも“居眠りデビュー”し、批判が集中した。ところが、そんな議員はリント氏だけではない。
 
 本誌は、本会議中に舟を漕いでいる国会議員らを300人以上目撃。彼らに「うたた寝していた記憶があるか」質問し、苦しい弁明とともにまとめた。

●キプロス問題・南北プロット大臣
リント・アン・ホーカー 青い監獄党(プリンスィズ1人区・1回)

無任所大臣に任命されたばかりの9月14日に居眠りしていたことが話題になった。「あの起きてますけど今日ずっと起きてますけど。そんな監視するのはやめてくださいよ」
 

●国防大臣
テュルーク・ボブチャンチン 青い監獄党(イスタンブール7人区A・4回)

北キプロス出身の総合格闘家。愛称は北キプロスの最終兵器。「今の私は蝶のように眼を閉じただけです」
 

●運輸・インフラ大臣
ラマダン・イブラーヒムビッチ 青い監獄党(ガズィアンテップ2人区・3回)

元サッカー選手。過去には恫喝事件も。「そうやって自分を鼓舞しないと。眠りに落ちているというわけじゃない」

●トランキライザー・ゾルピデム 公正発展党(比例・14回)

グラビアアイドルから政界へ。「目を瞑っていただけで寝ていた認識はない」
 

●トクア・ニダー 青い監獄党(マルディン2人区・1回)

元サッカー選手。「生まれつき目が細いので眠っているように見えたのかもしれません」
 

●ベルカン・ハンダ ワールドメイ党(比例・4回)

宗教家、実業家から政界へ進出した教祖様。「目を瞑って羊を数えてから記憶がございません」
 

●クルド・ナズ 国民世俗党(ディアルバクル2人区・4回)

ノーブラで本会議場に入り物議。「居眠りしてません。また迫害ですか?」
 

●ハマール・イノニュ ともにエルドアン党(イスタンブール3人区C・6回)

無回答。イノニュ元大統領の実弟。
 

●マジハロ・エイト  青い監獄党(比例・5回)

ギャンブル依存症を公表し、現在もギャンブル依存問題に取り組む。カジノ賛成派。「寝ちゃダメなんですか?」
 

●ドードートネルソン・マン 共和人民党(比例・3回)

黒人差別主義者として実名を公表し、現在もインターネットで黒人差別を繰り返す。「私が堂々と寝るわけないですよ。この肌の色が何よりの証拠です」
 
 この結果に、政治アナリストのエリ・ボールンデ・カルマク氏は「“税金ドロボー”とのそしりも免れぬ緊張感のなさ」と呆れ返る。
 
「この気の緩みは、今のトルコが“崩壊”状態にあることの証左です。与党は、大統領による確定ロール問題など数々の不祥事が露見しているにもかかわらずたるんでいますし、野党には与党を脅かすほどのやる気がない。そして冷静に考えると、定数600人の議員のうち半数が寝ているなら、逆に起きてる奴の方がキモい気がしてきた」
 
 なかには、「電磁波対策」などと釈明する議員もいたが……こうした回答に、ある議員秘書が声を潜めて、こう一笑した。
 
「嘘に決まってるでしょ!」
 
 政治の劣化も、ここに極まれりーー。
 
※各議員に記載の回数は、当選回数を表わしています